2017年7月14日(金) – 23日(日)
[個展] Black Forest
東京都中央区八丁堀2-3-3-3F
tel. 03-3297-6011
open: 12:00–19:00 (※最終日は18時まで)
在廊予定日 7/15(14日午後以降)
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わたしは今まで、 この制作活動を約十数年ほど続けているのですが、 なぜこのような作品を作っているのかと言うと、その動機は、 ただ自分が心惹かれる事象を陶の立体物で思うままに表現しようと することなのかと思います。
今の時代を生きる多くの人にとってそうであるように、 わたしも日々を過ごす中ではいろいろな思いを持つことはあります が、 この表現は世の中へのメッセージや個人的な感情ではないところか ら生まれています。
作品は自分の自己表現でもなく、 歴史的な美術の流れやカテゴリーにもとらわれず、 そしてまた陶芸の概念とも異なるところで存在している、 自由で平和なアートピースです。 なのでこの作品がどういうものなのかは、 このモノに出会う人自身がそれぞれに感じて受け取ると良いと思っ ています。
わたしの表現は、 やきものの土とそれに関わる素材や自然現象の力を借りることでよ うやく具現化することができています。
土の造形は、特別な道具や熱を介さずに、 自分の意図を素手で直接かたち作ることができますが、 そこでは意識や解釈を通さない無意識の手の反応が加わっているの ではないかと思うのです。 頭で思考する事のほかに手触りを通じて交わされるなにかが、 この創作のある部分を担ってくれているように感じます。
そしてこの“触感“の要素は、 わたしの普段の生活の中でも創作のインスピレーションに繋がるこ とが多々あり、 自分でもそこに着眼する理由がなぜなのか説明し難いのですが、 わたしは、 かたちと触感が調和したモノの姿から情緒や実在感を感じ取ること があって、そのものがそのものらしく表れた姿かたちや、 手触りを呼び起こす表情に、 自分の生の感覚を入り込ませて見ている世界があるのです。
また土については、 各段階でその素材の性質が変容することも大きな特徴です。 特に焼成では自分の意図しなかったことや想定以上の出来事が多く 起こり、 作品はいつも手を施している時に見ていた姿とは全く異なる様相に なって出来上がります。
やきものの創造は絵画や彫刻のように自分の行為の痕跡を確かめな がら進むことはできません。それでも、 誠実に考えを尽くし丹念に工程を重ねることと、その最後は、 自分の力が及ばないところで出来上がるというのが、 わたしの表現手段の過程ではとても重要な部分で、 そこから得られる経験はわたし自身に大きな影響を与えています。
焼成を経て現れた未知の存在に対する時の衝撃と、 またそうなった絶対的な出来事を受け入れることは、 自分が自分だけではないそれ以上の大きな存在の中に在るような広 々とした感覚、 穏やかな慰めと安定した気持ちを呼び起こしてくれます。
わたしはこのやきものの表現と関わることでようやく見えてくる世
2017.6 森田 春菜
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