手を動かしている時に、考えていた事は
じつは 人間について だったんじゃないか
と、最近思っている。
モノの在り様を探る作業を通して
いままでずっと、思考は、そういうことを探っていたのではないだろうか、と。
実際、”モノ”に惹かれているのは確かだけれど
その奥底には常に”ニンゲン”への興味が潜む。
それはこの仕事をし始めた感覚を得たときから、ずっとあった事だったのに
モノへ迫っていく感覚の傍を、いつも並走するもの
くらいな自覚しかしていなかった。
懐古的な思いや、情緒性を むしろ引き込みたくない。
傍に来てしまいそうになる気配を
避けつつ、避けつつ、蒐集する。
言いたいのは、今は無くなってしまったもの、ではなく
今、現在のこと。
わたしにとって重要なのは、そこだった。