2014-07-26

高知探訪 土まわりのこと



先日の連休、南蛮焼き作家である 廣谷さんを訪ねて
高知に出かけていました。






穴窯で薪を使っての焼成は約三日間。
私が一緒に居たのはその最後の3、4時間ほど。


それまでの前準備としても、およそ4トンの薪を割る作業があり
そして、焼成は寝ずの番。

もちろん、土の仕込みとうつわの制作もあるので
この仕事は圧倒的なボリューム。



薪をくべれば、とたんにわぁっと、火が膨らみ
周辺は始終高温と煙に包まれて
この中で、居る、ことだけでも、なかなかなエネルギー。



今回は、竹籠作家の大造さんも作業を共にしていた。

ふたりが話す、火についてのやりとり。

なんともやわらかな言葉で様子を言い表わすのが
日頃”ナマの火”に縁遠い私は、それがひとつひとつとても響く。

それだけ、身近にできるものである、という表れ。



土煙と煤のなかで、汗にもまみれていく体感。
今こうして東京に帰ってきて思うと
なんだかあの在り様に惹かれてしまう。




地面の上にいる、という感覚。
生き物的人間の感覚。

わたしの普段の生活で
退化しそうな部分が、存在を現す。


今の自分まで繋げてくれた、今までの人たちが知ってるものなのか。
それがすこしでも、私の中に宿るものなのか。

あぁ、こうだったな、と
想像のどこかの景色がつながる気分。
ほんとうに、想像に過ぎないのだけれど。




この景色を、手に宿すようなふたり。
一緒に居るだけでも充足感が湧くかのような
滞在3日間。



廣谷さんも、大造さんも
来月8月30日から、それぞれ都内で展示があります。


今度出会えるのは、東京で。待ち遠しい。