2014-12-12

たけのこかご

ユーモラスな響きの、この籠。

高知からやってきた大造さんが
このモノに出会った感動を話してくれた。
聞いているこちらも、そのとき相対した幸福を
共に体感する様な語り口。

たけのこ籠も(作った人も)凄いんだろうけれど
そこまで一心に豊かな境地に入り込める彼も
あらためて、すごいひとだな、と思う。


このたび、大造さんは今年の民芸館大賞を受賞した、とのことで
急遽、受賞の為の東京訪問。
吉報は、本人ではなく同じく高知にいる
廣谷さんからの速報だった。
すごい、すごい、と本人の知らないところで
喜び合っていた。


以前から、高知に行った際に
この『たけのこ籠』の存在について聞いていた。
「これが見てみたいんだ」と、小さなモノクロ写真のカットを指し
憧れを込めた口調で言っていた。


民芸館所蔵のそれは、江戸時代作ものらしく
特に名を馳せた作家もの、ということではないらしい。

ただ、期待を込めたそのものとの対面は
熱い感動的なひとときだったよう。
”30分”と限られた時間内で、見ることのみに集中し
曰く『旅をしたような』感動の余韻に包まれていた。

まるで
その作家のお宅を訪れ
互いに自然になじむ距離感で
特に言葉を交わすことなく
それでも伝わる空気感の中
お茶をいただいた、

ような感じだったんだとか。

そのものに出会ってみたあとは逆に
今までの、”たけのこ籠をつくる”という欲求とこだわりは放たれ
なんのかたちでもいいんだなぁ
となったらしい。




たけのこ籠は、つくりたい『モデル』ではなく
『実例』を示すもの、だったのか。

心強い励ましのような感覚を得た
その様子は、こちらまで共感が伝わる。

最近考えていたことと繋がる。
  そういうことなのかもしれない。